職人
間中 貴輔
間中刃物鍛錬所
物語
創業は1872年に遡り、その技術は五代にわたって受け継がれてきた。第四代目までの歴史は『マ』の屋号(カネマ)で知られ、黒打ち仕上げの包丁、鋏、農具などを「間中刃物店」から販売していた。文字通り包丁屋である。しかし現在、異なる名を冠するのは第五代目の存在による。
彼は2005年、第四代目である間中保夫のもとに弟子入りした。2014年に五代目を継承するとともに、店名を間中刃物鍛錬所へと改め、小売店ではなく鍛造工房としての道を歩み始め、貴輔(きすけ)という鍛冶名を名乗った。これが彼の作品に刻まれる名であり、襲名時に得た鍛冶名である。他に別の名を用いた記録はない。2025年には、一族の故郷である埼玉から新潟県三条市へ工房を移転させた。工房自身の言葉によれば「より高みを目指すため」である。1872年以来同じ地で営まれてきた工房が、軽々しく移転を決めることはない。
彼の特異性は自らの発信にも明らかである。ステンレス鋼の鍛接技術を独学で習得し、インターネットや図書館で鉄の挙動や粒子構造を研究し、ステンレス鋼や粉末ハイス鋼の熱処理も独自に確立した。工房では、あらかじめ接合されたクラッド材を使用しない。鋼の取り付け、鍛接、焼きならし、焼入れ、焼戻し、サブゼロ処理、研ぎ、柄付けに至るまで、全工程を一人の手で一貫して行う。
貴輔(きすけ)のラインナップはその幅広さを示している。SUSシリーズは、自ら鍛接したステンレス鋼で白二鋼または青二鋼を挟んだもの。青一鋼の本割込はノミによる手仕事で、軟鉄を割り込んで青一鋼を挿入し、鍛接後に水焼入れを行い、硬度は約HRC 64とされる。ATS-34シリーズは18Crステンレス鋼の地金を用いた割込構造で、同様のサブゼロ処理を経て同等の硬度を誇る。2025年にはZDP-189を使用したBEASTシリーズを発表。さらに上位には「琰-ENN-」と「黒琰-KOKUENN-」が位置する。ENNのフラッグシップは280mmの三層切付牛刀で、刃先に青一鋼、地金にはダマスカス積層軟鉄と青二鋼を用いているが、すでに完売となっている。
最後に受注状況が公表された際、オーダーメイドの納期は1年から1年半待ちであった。意図的に電話番号は公開しておらず、ホームページでも近隣の類似名称店舗との混同を避けるよう注意喚起している。応答するのは鍛造場であり、電話ではない。
写真で見る
関係図 職人系譜
Masters, family, and the brands between them. Every line is a verified fact from our research. Tap a node to light up its connections and read its story.
Stories
よくあるご質問
間中貴輔とは
間中貴輔の鍛接技術の特異性とは
間中刃物鍛錬所が使用する鋼材は?
間中刃物鍛錬所の所在地
間中喜助のカスタムナイフの納期
本情報は執筆時点で正確であることを確認しておりますが、公式文書ではなく、予告なく内容が変更される場合がございます。お気づきの点がございましたら、お知らせください。速やかに修正いたします。

