土井逸男氏の工房を訪ねるようになって、もう10年近くになります。最近写真アーカイブを振り返り、その年月の長さに改めて気づかされました。約10年の間に4回の訪問:2014年7月、2014年11月、2022年4月、そして2023年12月。同じ鍛冶場で、同じ職人が打ち続けています。
最初の訪問は2014年7月でした。日本の夏は非常に高温多湿です。私は鍛冶場から5メートルほど離れた場所に立っていましたが、滝のように汗をかいたことを鮮明に覚えています。それなのに土井さんは長袖長ズボンで全身を覆っていました。そうしないと鍛冶場の熱気で火傷を負ってしまうからです。ショートパンツ姿で大汗をかいていた私と、厚着で作業する職人の感覚を想像してみてください。これはまさに、仕事への献身と愛情があってこそ成し得ることなのです。


次の写真は同年の再訪時、2014年11月のものです。土井さんがエアハンマーの前に立ち、作業をしています。写真に写っているのはそれだけですが、それで十分なのです。
2組目の写真はコロナ禍明けの2022年4月です。写真には土井さんと私が一緒に写っており、私の顔にはまだおなじみのマスクが残っています。二人で工房に並んで立ちました。当時、これはいつか記事に使えそうだと思ったことを覚えています。

最新の写真は2023年12月のものです。土井さんは再び炭火の鍛冶場とエアハンマーで作業をしています。そのうちの一枚では、炎が彼の顔を照らしています。



この時間の積み重ねこそが物語の本質です。同じ職人、同じ鍛冶場、そして4つの瞬間。
ご存知ない方のためにご紹介すると、土井氏は青木刃物製作所(堺孝行の製造元)の鍛冶リストに名を連ねる鍛冶職人です。専門は青二鋼で、彼の特徴はその扱いの丁寧さにあります。刃先の性能を守るため、低温でじっくりと鍛造します。故・土井啓二郎名人の息子であり、「飛燕」シリーズは彼の鍛造によるものです。土井家の鍛冶は三代続いています。「幻の名人」と呼ばれた一夫氏、そして啓二郎氏、現在は逸男氏です。彼は実際に国の伝統工芸士の称号を取得しましたが、後に返上しました。この事実は堺孝行から直接確認しています。返上の理由は本人だけのものなので、ここでは推測せず、事実として記すにとどめます。
